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「高く孤独な道を行け」の感想

今や世界的ベストセラー作家であるドン。ウィンズロウ氏のデビュー作『ストリートキッズ』から続くニール・ケアリーを主人公としたシリーズの3作目が今回のお題『高く孤独な道を行け』となります。英字タイトルを正直に訳したこのタイトルですが、これは今回の物語の舞台となったネバダ州の山岳地帯を「孤独の高み」と呼ばれているからです。要するに、大自然の真只中な場所といえます。1作目はロンドン、2作目はサンフランシスコから香港へと、これまではニールにとって慣れ親しんだ都市部(特に治安の悪そうな)場所ばかりでした。

ニールは大学院に通いながら、金持ちの公には出来ない問題を解決する探偵をやっていた。もっとも大学院は休学中。前回、中国までニールの一目ぼれした女性と駆け落ちした科学者を追いかけて行ったニール。その後3年間、中国奥地の僧院での半ば監禁生活を送っていた。そんな彼に育ての親であるグレアムが手伝ってもらいたい仕事があると迎えに来る。それは極めて簡単な仕事、離婚した夫ハーレーが連れ去った子供を取り戻すだけ。何しろハーレーの居場所が判っているため、グレアム、レヴァインと、組織のむくつけき男たちと共に、父親の泊まっているモーテルを強襲。しかし、その人物は父親では無かった。作戦をやり直すために撤退する組織と別れ、単独でハーレーの追跡を行うニールであったが、無理がたたって車を壊され、ボコられる。ネバダの山奥で倒れていた彼を救ったのはオースティンで小さな牧場を営むミルズ。白人至上主義の真正キリスト教徒同定教会のツテでオースティンの牧場で働いているというハーレーを探さねばならないニールはミルズの牧場で厄介になりながら、ハーレーを知る隣接する巨大牧場の武装集団への潜入を行う。ミルズを騙しながらの捜\xBA

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私はドン・ウィンズロウという作家を「犬の力」という作品で知りました。読んだことのない人のために説明するならば、それはそれは暴力に次ぐ暴力!人はどこまで残酷に成れるのか?と、胸糞の悪くなるくらいの悪辣な描写が、徐々にエスカレートして行くという中で、一つの純愛が実ることが、救いになっているお話でした。人の悪意と美徳を、見事に描き切った傑作だったと思いました。

それからすれば、このニールのシリーズは作者も少年の成長物語。として描いている事もあるのか、面白おかしく、ニールのアイロニーに満ちた語り口で綴られています。しかし今回はニールの人生の転機となる物語です。ロンドンのチンピラ、米中のスパイとは異なり、武装した白人至上主義者のカルト教団です。銃撃戦です。爆発です!これぞ現代ハリウッドの西部劇です。

さてさて、このシリーズも残すところあと2作。今にも読みたい気持ちになりながら、何だかもったいない気分にさせられます。

次回は冲方丁先生の「はなとゆめ」です。ラノベ作家を引退して、歴史小説家の道を選んだわけですが、世間の評価はイマイチなのか?「マルドウック」続編を書かねばならなくなったというなら・・・